介護の仕事はきつい?現場の実態を語る

介護の仕事はきつい?現場の実態を語る

 

あなたは”介護”と聞くとどのようなことを思い浮かべますか?

 

汚い、きつい、危険の”3K”という言葉は聞いたことがあるのではないでしょうか。

 

美容師さんから「なんでそんな仕事してるの?介護してる人って変わった人多いよね」と言われたり、アパレル店員さんからは「人の排泄物見るとか私だったら無理だわ」と言われたり、近所の人からは「給料安いのにきついんでしょ?もっとお金もらえる仕事すればいいのに。まだ若いんだから。」と言われたり。

 

しかし、本当にそれだけでしょうか?
私が実際に経験した現場の実態をお伝えします。

 

介護施設に入社して

現場の実態

高校在学中に介護実習に行っていたときは一人ひとりとコミュニケーションをとり、その方のやりたいことをマンツーマンでじっくり行うことができました。そのため、利用者さんが「今日はあんたのおかげで楽しかったよ。ありがとう。またきてたいね〜。」と笑顔で話してくださり、私も利用者さんの貴重な1日に関わることができたことに喜びを感じていました。

 

実際に入社してみると、

 

〇利用者さん1人ひとりとの時間がまったく取れない
〇離設される可能性のある利用者さん、トイレ誘導後1分も経たずに排尿を繰り返し訴えられる利用者さん、車いすのブレーキをはずして立ち上がろうとされて頭から転倒される利用者さん、車いすのブレーキはかかっているのにキュッキュと座ったまま無理やり動かし移動される利用者さん、ほかの方に喧嘩を売って怒鳴り散らす利用者さん、10分おきにコールを押す利用者さん、自分の便を床に塗ってしまう利用者さん。etc
〇全員と楽しくゆっくり話をしたいのに時間と業務に追われて「ちょっと待ってね」ということしかできない私
〇少しでも気を抜くと誰かが転んだり離設したりするかもしれないというプレッシャーに押しつぶされそうになりメンタルがやられてしまう
〇自宅でもナースコールが聞こえる気がする
〇利用者さんからの暴言・暴力
〇急に後ろから抱きつかれたり、キスを迫られたり、「一緒に寝てくれ」と腕をつかまれたりセクハラされる
〇スタッフが不足してくると連勤や残業が当たり前
〇夜勤明けでの行事参加
〇夕方からのミーティングは夜勤明けでも参加。長いときで5時間かかったことがあるが1時間分しか給料が発生しない
〇勤務年数を重ねるとリーダーとなり責任も増えるが給料は増えずに残業が増える
〇1人でもノロウイルスにかかろうものならノロウイルス利用者の担当が1人決められ、全身フル装備でお部屋に入り対応。休日出勤が増える。

 

利用者さんに毎日楽しく充実した生活を送ってほしくて就職したはずなのに。これが現場の実態か…と悲しくなりました。

 

 

夜勤での出来事

私の夜勤中に一度だけ緊急搬送したことがあります。ベット横にポータブルトイレという簡易トイレを設置していた方でした。定時巡視の時間より少し早かったのですが、なんとなく気になり様子を見に行きました。すると立ち上がった時に倒れたのか、ベットのサイドレール(柵のことです)に首が乗った状態で発見したのです。

 

私の体中の血が一瞬でひいていくのがわかりました。

 

実際にテレビで亡くなりそうな患者さんを対応している、壮絶なシーンと同じような感じでした。違うフロアの夜勤スタッフを呼び、バイタルを測って床に利用者さんを寝かして心臓マッサージ。バイタルを何度か測るもエラーになり最悪のシナリオが頭をよぎりました。

 

その間にナース、ドクター、施設長、家族さんに電話をかけてもらい、必死で名前を呼び続ける。ナースが来てくれて、さらに人工呼吸と心臓マッサージ。それでもだめで心臓を動かす注射を二回打つ。その後、ドクターと施設長がかけつけ、家族さんも到着し救急搬送。

 

私は、心臓バクバクで付き添いました。利用者さんは治療室に入り、私は家族さんと控室で待っていました。

 

どれだけ時間が経ったかは覚えていませんが、しばらくして先生が出てこられました。検査の結果は脳梗塞でした。

 

私と家族さんは一度帰宅するように言われ、病院をあとにしました。

 

その後、利用者さんは一晩、もちこたえられました。
一生懸命生きようとされたのでしょう。

 

…しかし、次の日に亡くなられました。

 

私は家族さんに責められるのではないかと怖くて、「こんなに責任の重い仕事は自分には務まらない。」と思っていました。

 

しかし、その利用者さんのお通夜に参加させていただいた際に親族の方や家族さんに「あなたが対応してくれたのですね。きちんと対応してくれたのでしょう?若いのに怖かったでしょう。ありがとうね。」などと優しいあたたかい言葉をかけていただき、「これからも頑張ろう。」と前向きに思えたことをいまでも忘れません。

 

まとめ

どの仕事もそうだと思いますが、介護という仕事も決して楽ではありません。

 

年齢を重ねて、できることができなくなる。
白髪が増えたり、歯茎が痩せて入れ歯が合わなくなる。

 

全部が全部、介護を必要とされている方の気持ちを理解することはできないかもしれませんが、その方に寄り添い、気持ちに寄り添い、そっと手や背中をさすることによって「もう死にたい」と言っていた方が「あんたのおかげで楽になったわ。もうちょっと生きるのもわるくないかね」と話してくださったりすることで「ああ、この仕事やっていてよかった」と思えます。
つらいこともたくさんありますが、”誰かの役に立てる”それだけで私は幸せを感じます。
これだから、介護は好きです。